もともとは30代になった頃、腰痛克服のために始めたランニング。
これまで10年以上にわたり最長10キロの金沢マラソンンに出場してきたが、今回金沢マラソンがフル(42.195キロ)になるということでエントリー、抽選の結果当選して出走権を得た。
9月、10月はそれぞれ100キロ以上走りこんで大会にのぞんだ。
練習の時も常に朝飯無しの空腹で走ってきたが、何気なく見たこの大会で走る友達のフェイスブックに、尋常でない量の朝ごはんの画像が出てて、やっぱこれくらい食べないとフルマラソンはムリなのか?と心配になり、つい大好きなみかんゼリーを1個食べてしまった。
出走申込書の予想完走タイムに6時間半と正直に書いたら、最後尾ブロックからのスタートになった。
号砲が鳴ってからスタートラインまで20分かかるとの予想にすっかり慌てている。
想像を超える土砂降りの中、30分も開会式をモニターで聞き冷え切った身体で、9時スタート、実際スタートラインを超えるのに12分かかり、それだけでも最初の足きり関門の通過が微妙だ。
しかも例のみかんゼリーが効いて、とにかくトイレ!
最初のトイレが裁判所の前にあり、おそらく同じように雨の開会式で冷え切ったランナーが長蛇の列。
何分ロスしたかわからないが、てきぱきと誘導されてトイレは無事終了。
しかしそもそも最後尾スタートだったので、後ろを見るとランナーは5、6人しかいない。
足きりがほんとに心配で、ペース配分もくそもなく全力で走る。
ほどなく集団に追いつき、完走タイム6時間のペースメーカーも追い越しひと安心。
片町を過ぎ、寺町を通過し、
山側環状道路を走る。
気分は上々だ。
このあたりでまた雨が激しくなってきた。
当初着ていたカッパは沿道のボランティアスタッフに渡してしまっていた。
寒いし冷たい。
コンビニで買ってるランナーもいたが、そういや僕はiPhoneしか持っていないので買うわけにもいかない。
ちなみにウエストポーチにはiPhoneの他にドーピング用のロキソニン3錠が入っていたのだがいつのまにか紛失していた。
ハーフまではまったく快調で、どこにもこれといった痛みもなく、寒い以外はただ楽しいだけだった。
問題はこのあたりから始まった。
練習の時も20キロを越えると脚が痛かった。
ついにあの痛みが始まったのだ。
尻から足先までまんべんなくどこもかしこも激しく痛い、あれが始まったのだ。
効くかどうかはわからないが、お守りのように持っていたはずのロキソニンはなくなっていた。
ただ痛みに耐えるしかない。
みんな痛そうだ。
ぼくだけじゃない、みんな痛いんだ。
でもみんなの痛みは特に問題は無い。
問題は僕の脚の痛みだ。痛いのだ。痛い痛い痛い。
みんなけっこう歩いているが、僕は走るぞ。
完走とは全ての道のりを“走り切る”事なのだ!当然だろ!!
とか言いつつ、30キロ地点で励ましてくれるボランティアスタッフの前は、どーもどーもなんてつぶやきながら歩いて通過していました、どーもすいません。
だって脚が痛いんだもん!!
ねえ、ほんと脚が痛いんだ。
ガクガク、ビリビリ、ジンジン、ヒリヒリもうありとあらゆる感覚でめっちゃくちゃ痛いんだよぉ。
すでに足きりの関門へは30分ほどのアドバンテージができていたので金沢カレーを堪能する。
「おかわりいかがですかー?」の掛け声ににっこりわらってお応えする余裕までぶちかまし、カレー2杯食べる。
そういや他にあちこちでバナナを2回食べた。
よく、エネルギー切れで身体が動かなくなるという話を聞くが、ぼくのように普段からたくさんの栄養を蓄えてる人は心配無用だ。
むしろ寒い朝に慣れないゼリーなどもってのほかである。
あのゼリーさえなければ最初のトイレは行かなくてすみ、無駄なダッシュで脚を酷使することもなかったろうに。
痛恨のゼリー事件として記憶されたし。
あぁ35キロ。
まだ10キロもある。
脚が痛くて走れない。歩きたくないが、走れない。
武蔵のあたりでぶっちぎってやった6時間のペースランナーに追い越される。
このあたりからまた走る気になって痛い足をひきずりながら走る。
あー、男だね。痛いけど走る。これはもはや誰とでもない、まぎれもなくおのれとの戦いだ。
あと3キロ。
最初の頃の3キロなんてあっという間のへの河童だが、もうここへ来ての3キロは地獄だ。
走ってるようでまるで進んでいないのでこの苦痛は永遠といっていいほど続くのだ。
あと1キロ。
あと1キロは長いようで短かったかも。
なんかちょっと嬉しさがこみ上げてきた。
ほらみろ、おれは晴れ男。
これまで数々のイベントで奇跡の太陽を演出してきた。
輝かしい祝福の陽光を浴びて、
フィニッシュ!
はい、フルマラソン完走しました。
全然楽勝でした(棒)。
そのあとは楽しい仲間と打ち上げ。
来年もエントリーしよう。
脚なんか痛くたって治る。
来年は全部走ってやろう。
いろいろな場面で応援し、励まし、協力してくれた全ての人へ、感謝の「ありうがとう」を捧げます。
僕の“完走”はみなさんと供にあります。
ということは当然途中ちょっと歩いた分の責任もみなさんにはあります(笑)。
コメントを残す